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【ベスト8】チャンピオンズリーグ愛知2022エクストラ参加レポート

3月27日(日)に開催されたチャンピオンズリーグ愛知2022に参加。

幸運にも、オープンリーグでベスト8に入賞できた。

 

本稿では、今大会に向けた取り組みへの反省を簡単にまとめる。

 

エクストラは「魔境」と揶揄されることもあるが、実際はバランスの取れた非常に面白いレギュレーションである。本稿をきっかけに、エクストラに関心を持ってくれる人がひとりでも増えることを祈っている。

 

エクストラを選択した理由

今大会の目標は、6月のJCSの優先参加権の獲得。

そのためには、

・マスターリーグ(スタンダード)ベスト32入賞

・オープンリーグ(エクストラ)ベスト16入賞

のいずれかを達成しなければならなかった。

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果たしてどちらを選ぶべきか……

スタンダードを選択した場合、ベスト32に確実に入賞するには予選9ラウンドで9勝0敗もしくは8勝1敗の成績が求められる。

7勝2敗で終えた86名のプレイヤーのうち、12名にもチャンスは与えられるが、相当オポネントが高くなければならない。

 

それに対して、エクストラなら予選7ラウンドを7勝0敗もしくは6勝1敗で終えればおおむねベスト16に入れる。

6勝1敗で終える22名のうち上位12名にならなければいけないが、勝ち続けてきた猛者を相手に2勝を狙うよりは楽だろう。

 

また、スタンダードは最新弾「バトルリージョン」の発売から1ヶ月が経ち、情報もデッキも出揃っているため、デッキ勝ちを狙うのは現実的ではない。

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猫も杓子も強いデッキを持ち込むことは明白

上記の理由から、目標を達成するにはエクストラを選択すべきだと判断した。

 

事前準備と調整過程

本番1週間前から準備をスタート。

エクストラを選択した知人がおらず、調整グループなどにも属していないため基本的にはひとりでの調整を余儀なくされた。

 

「エクストラバトルの日」やPTCGOの大会などの結果をもとに、現在のエクストラに存在するであろうデッキを一通り作り、相性関係やマッチの要点の確認からはじめた。

 

事前情報どおり、《こくばバドレックスVMAX》が頭一つ抜けていた。

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隙がなく”オールランダー”と呼ぶに相応しい

特性を駆使した青天井のダメージはもちろん、受け回しや特性ロック、《オーロット&ヨノワールGX》によるハンデスまでこなす万能なデッキだ。

 

その下に、《メロエッタ》や《カイリューV》、《アマージョV》をそれぞれ主軸にした複数の高速デッキが連なる。

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後攻1ターン目にサイドを複数枚取るのはお手の物

これらの高速デッキは、5ターン前後で難なくゲームを決めきるだけの攻撃力を有しており、並のデッキではゲームスピードに付いていくことすら困難だ。

もっとも、これらのデッキはこくばバドレックスVMAX》に対して明確な優位が保たれるわけではないので、自分で使うことは避けるべきだと判断した。

 

思いつくままに過去の環境デッキからイロモノまでいろいろ試してみるものの、好ましい結果は得られないまま時間だけが過ぎ去っていく。

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没デッキの数は気づけば20以上に……

結局、オールランダーの《こくばバドレックスVMAX》と高速デッキの全てに勝てるデッキは作れなかった。

あちらを立てればこちらが立たずといった具合に、いずれか一方に勝ててももう一方には勝てないデッキばかりが量産されていった。

 

こういった状況に陥った場合、潔く環境の王者であるデッキを使うのも手だろう。だが、スタンダードでも《こくばバドレックスVMAX》を使った経験がなく、ミラーマッチを渡り切る自信がないのでできれば避けたかった。

 

「下手なこくばを使って2-3ドロップかな……」などと半ば諦めていたところ、出発1時間前に身震いしてしまうようなデッキを発見した。

メインギミックは、《カエンジシ》と《マグマの滝壺》でサポート権やエネルギー手張り権を温存しながら毎ターン任意のポケモンを引きずり出すというもの。

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新旧カードのシナジーはエクストの醍醐味

このギミック以外にも、たねポケモンからの攻撃をシャットアウトする《カエンジシ》、能動的にサイドを取得することを肯定する《ズガドーンGX》など様々なゲームレンジに対応する術が揃っている。原案者の構築術に恍惚としてしまった。

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デッキによっては《カエンジシ》だけで詰むことも

大会当日まで残すところ40時間ほど。使用に耐えるデッキかは移動中に検討することにして、高揚感とともに使いうるカードをリュックに詰め込んだ。

 

使用デッキ:炎アルセウス

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デッキ名は未だに分からない

脳内調整の結果、こくばバドレックスVMAX》をはじめ主要なデッキと十分に渡り合えると判断し、細かな調整を施して使用することに。

 

追加のアタッカーとして採用した《かがやくヒードラン》は、このデッキのマスターピースだ。

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お手軽280ダメージが弱いわけもなく

マグマの滝壺を2回使用するだけで、VStarポケモンやTAG TEAMポケモンを一撃でほふることができる。《ダブル無色エネルギー》に対応しているので、140ダメージで壁を倒すことも可能だ。

 

ダブル無色エネルギー》と《トリプル加速エネルギー》の配分は最後まで悩んだものの、《アルセウスVStar》の特性でエネルギーを持ってくる機会を減らすべきだと判断して後者を多めに採用した。

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スタンダードでもお馴染みの組み合わせ

細かなテクニックや対面ごとのゲームプランは本稿のテーマから逸れるので割愛するが、隠すつもりもないのでTwitterで尋ねてもらえれば答える。

 

当日の対戦レポート

R1.こくばバドレックスVMAX》 勝ち

R2.アマージョV》 勝ち

R3. ウォールストール 勝ち

R4.《アルセウスVStar》+《ダストダス》 勝ち

R5. 悪《ミュウツー&ミュウGX》 負け

R6.メロエッタ+《ゲノセクトV》 勝ち

R7.カイリューV》? 勝ち

SE1. 《イオルブ》コントロール 勝ち

SE2.こくばバドレックスVMAX》 負け

 

一通りのメジャーなデッキと相まみえる1日だった。

予選ラウンドで唯一敗北した悪ミュウツー&ミュウGX》とのマッチアップでは、的確に《マリィ》と《オンバーンGX》のワザで嵌められてしまった。

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ケアしても無理なものは無理

SE2回戦のこくばバドレックスVMAX》とのマッチアップは、サイドを残り1枚まで取り進めたものの逆転負け。

デッキの約5分の1の有効牌を引き当てれば勝てる盤面だったが、3ターンかけても何も引けずに敗北。この日のベストバウトと呼ぶに相応しいマッチアップだったので、対戦相手の方の対戦レポートもぜひ読んでほしい。

参考:2022.3.27 愛知CL_ほむほむなう

 

大会を終えて

結果はベスト8で、目標のJSCへの切符を獲得。

これまで通りであれば、5月のチャンピオンズリーグ横浜2022と合わせてこの先2回の大型大会への参加が確定したことになる。

 

振り返れば、大きな事故や時間切れによる両者敗北に見舞われることもなく、1日を通してついていたと思う。結果がどうであれ、趣味である以上気持ちよく終われることが何より大切だ。

 

とはいえ、事前の取り組みについては反省が残る。

 

独力での調整を試みたのは、あまりに無茶だった。

大会に参加しない知人にも駄目もとで強力を仰いだり、断られるのを承知で調整グループへの参画を打診したりすべきだったと思う。

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遠慮せずに「なかまをよぶ」べきだった……

次回のチャンピオンズリーグには、複数人での調整を機能させることを目標に取り組もうと考えている。我こそはという方は、ぜひ気軽に声をかけてほしい。

 

また、ゼロからデッキを作れるようにならなければとも感じた。

多くの著名なプレイヤーが持ち込んでいた《アーゴヨンGX》を採用したデッキは、事前準備の段階で検討すらしていなかった。力量差を痛感した。

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何を食べたらこんな発想ができるのか……

かれこれ20年近く様々なカードゲームで遊んでいるが、自分でデッキを作ったことはほとんどない。既存のデッキをチューニングして満足せず、デッキを生み出せるようになる必要がある。

 

課題は多いが、初のチャンピオンズリーグを好成績で終えられたことは素直に嬉しい。喜びのあまり、帰宅後しばらくは何も手につかなかった。

 

最後に、関わってくれた方々に心から感謝を。

真摯に相談に乗ってくれた井上TCGさんまどさん、不足カードを快く貸してくれた藍さん、部屋を共にしてくれたさくさん。本当にありがとうございました。

 

次回、CL横浜2022編に続く。